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人によって声はさまざま。指紋と同じで声紋もあり、犯罪捜査で利用されています。
しかし、別に犯罪意識はなく、声色を使うわけでもないのですが、相手に嫌な印象を与えてしまう発声があります。
生来のものと思い込んでしまいがちですが実は、自分の声の能力を使いわけていないために、相手に誤解を受けてしまうケースがほとんどなのです。
自分の声の巾がどの位あるのかよくわかっていない人は多いものです。特に最近、私の大学でも感じることですが、音程の低い発声の学生が増えています。特に女子にその傾向が強く出ています。暗くて、ボソボソ。
では低い音だけしか出ないのかと言うと、そうではないのです。気の合った友人同志の会話を聞いていると、若い女性特有の高音でのやりとり、いわゆる「キャー、キャー、ワイワイ」式の発生が満ちています。
ただ、少し改まった会話、特にまとまった内容を、まとめて話すとなると、急に音程が下がって聞きにくいだけでなく、暗く、自信のなさそうな、ボソボソのイメージしか受け取れない状況におちこんでしまいます。当然、この場合、必要な音量も保たれていませんから、嫌なイメージになってしまいます。
なぜなのか、これは種々の個人的理由もあって、一概に言い切れません。それでも、低い声から高い声まで1オクターブは楽に出るはずですから、普通の会話では十分な音程が保たれるはずです。そこで、歯科診療室内で嫌なイメージにならない声を出す方法論を考えてみました。意識的に試みてください。
普通の中音は、音楽のC調で、ミの音です。音量は5メートル離れた人にわかるぐらいです。その気持ちで次の発音を、息をしっかり、鼻から吸っておいて、ゆったりと言い切ってください。早口はだめです。
●お早うございます
●お疲れさまでした
●私は○田○子です
●どうぞ、お大事に
この時に、語尾がボヤケナイように最後まで確実に声にします。つまり自分の中音を言い出しからキープするのです。
●お綾あやや、母親におあやまりなさい
●富士山は高くて美しい山です
●緊急の処置が必要だと言っております
自分の言い出しの音程が、ミの音より下がると、こんな短い(3秒ぐらい)センテンスでも、明快に相手に声が届かず、嫌な発声になってしまいます。この点が基本なのですが、しゃべり出しが低いためにセンテンスのおわりまで確実に息が保たれないために相手にとっては嫌な感じになってしまうのです。内容も正確に伝わりません。
●ことばを中断しないこと。つまり、デス、マスまでワンセンテンスとして言い切る習慣をつけることです。自信を持って言う。
例…きょうの治療費は750円です。来週の木曜日、午後2時にお待ちしております。ありがとうございました。
●明快さは好感度を与えます。従って最大のポイントは、挨拶ことばを、相手の共感を得られるように発声することを忘れてはいけないということです。ボンヤリしていてはあなたの存在感も失われます。マスクをしている診療室内では、マスクをはずして発声する。意外に相手に通じるものです。
●嫌な声に聞こえては、生きていく上でも損失が多すぎます。つまり、声はその人の人間性をはっきり表します。あなたの存在感、価値観を明確にすべきなのです。
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