新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。2024年は、国内外で多くの変化があり、皆さまとともに新たな課題に取り組む一年となりました。
本年も引き続き、皆さまのご期待にお応えできるよう一層努力してまいります。皆さまのご健康とご多幸、そしてさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年は、ウクライナ戦争やイスラエルでの紛争、アメリカ大統領選挙、日本の首相選や衆議院選挙、さらには韓国での戒厳令など、国内外で激動の一年でした。また、日産自動車、ホンダ、三菱自動車の合併話が発表されるなど、ビジネス界でも注目を集める動向が見られました。
歯科業界においては、歯科医院数が減少する中、経営環境の厳しさが増しています。2022年の歯科医療費は3兆2275億円に達しましたが、医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や人件費の増加が経営を圧迫しています。新規開業には8000万円から1億円程度の資金が必要とされ、リスクの増大が新規参入を鈍化させる要因となっています。この状況では、業界全体の減収が懸念されます。
さらに、社会保障費の膨張も深刻な課題です。昨年の予算ベースでは総給付額が137兆円、医療費は42兆8000億円に達しました。このままでは社会保障制度の破綻や医療費負担の増加が避けられません。保険給付対象の重点化やセルフメディケーションの推進が求められています。
一方、歯科業界ではSNSの活用が急速に進んでいます。X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどを活用し、治療法の紹介や患者体験の共有が盛んです。しかし、SNSには「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」といった偏りの問題もあります。情報が評価や同意に偏ることで、多様な視点を失い、冷静な判断が難しくなるリスクが指摘されています。
たとえば、アメリカの大統領選挙では、インフルエンサーが広めた陰謀論が混乱を招き、連邦議会占拠事件に至りました。また、日本では兵庫県議会選挙において、SNS上の誤情報や極端な議論が選挙結果に影響を与えた事例があります。SNSは迅速な情報伝達を可能にする一方で、社会に大きな影響を及ぼすツールであり、その利用には課題も伴います。
情報伝達の速度が飛躍的に向上する中、人間の知性や判断力がそのスピードに追いつかず、発信の拙速化や深慮不足が目立つ傾向があります。このような状況が誤解や混乱を招くリスクを高める中で、歯科医院経営の向上には、SNSやネットを適切に活用するだけでなく、口コミやレビューなど他者の評価に過度に依存せず、自院の強みや診療方針を分析し、独自性を打ち出す主体的な取り組みが求められます。今年は、Windows95の発売から30年という「インターネット元年」の節目にあたり、この文明の利器を最大限に活用することで、歯科業界にとっての「経営向上元年」となることを期待しています。
本年も皆さまとともに課題に取り組み、共に成長していける一年となるよう努力してまいります。引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。