新年挨拶

新年明けましておめでとうございます。
正月がないとその年が始まらないように、視点がないと歯科診療は始まりません。

見えないものが見えた時が、小学生目線で言えば発見です。「発」は「発く」と書くと「あばく」と読みます。そう、小学生に「むし歯の本当の姿」を「発き見る」ことを経験させること、つまり発見させることが、予防型歯科医院の基本の「き」の字です。小学生の勉強を疎かにして大学受験をしても良い結果は望めないように、「むし歯の本当の姿」を知らないで、歯科医院に行っても良い結果にはなりません。

予防型歯科医院の診療は、潜んでいること、隠れていることを、外に引っ張り出してきて、患者さんに目の当たりにしてもらうことから始まります。まず、小学生の勉強が大切です。「むし歯の本当の姿」を見てもらうこと、そんなことは歯科医院でなら簡単と思うかもしれませんが、意外に簡単なことではありません。ここで歯科医院の実力が試されることになります。

どの仕事でもプロフェッショナルとは、見えないものを見えるようにする「見方=視点」を生活者に授ける人のことです。そのために予防型歯科医院は、普通の歯科医院よりも、検査をしたり写真を撮ったり、さらに話を聞いたりイラストを見せたりします。その時間がやたらと長いのは、「むし歯を見る視点」をしっかり授けることが、患者さんの「歯と口の健康」を守るためのプロフェッショナルな歯科医院の流儀だからです。

審美歯科もインプラント治療も歯列矯正も「むし歯を見る視点」を持ってからがスタートです。言い方を換えると「むし歯を見る視点」を教えてくれない歯科医院で、審美歯科・インプラント・歯列矯正などの治療を受けることは、小学生が大学受験をしているようなものです。

【図:西東京市 アップルデンタルセンター提供】

上の図をご覧ください。生活者に見えている「むし歯」は、水面から見えている氷山の部分だけです。この部分しか見えないで歯科医院に通院しても良いことはありません。水面下まで見えることが「むし歯の本当の姿」を見ていることになります。これが、予防型歯科医院のむし歯の「見方=視点」です。この視点を生活者に授けることが歯科医院のプロの流儀です。2020年もプロの流儀を心得る歯科医院をコミュニケーション・ギア(https://www.c-gear.net)で公開していきます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。