夢も希望も年の暮れ

正月まで後2日。例年、新年の挨拶を考えるこの時期になると、きまって登場してくるのが、成田山、佐野厄除け大師、川崎大師といった初詣での寺院のCM、そしてデパートや商業施設の福袋の広告です。この2つの広告宣伝を見聞きしていると、新年を前になぜかうっとうしい気持ちになってきます。最近の歯科も「何か似てきたなあ」と感じることがあります。

人の信心の中にずかずか入ってくる宗教CMの無神経さは、患者の中に歯科の価値観を押しつけがちな最近の歯科界に一脈に通じるものを感じます。もう少しゆるやかに歯科の価値観を育てて欲しいですよね。正論は押しつけられるとうっとうしいものです。

次にゆゆしきことは、福袋。

実は福袋しか売るモノがなくなったデパートの状況にも、歯科は似てきました。福袋は具体的なモノを売っているわけではなく、お客さんには「何かいい『コト』があるに違いない」と期待させて、『モノ』ではなく『コト』を売っているわけです。歯科医院も同様で予防や自由診療に対して、患者は、「これできっと快適になる『コト』だろう」に期待して(買って)いるわけです。決して白いつめ『モノ』を買っているわけではありません。デンタルショーは、売る『モノ』がなくなった歯科を象徴しています。デンタルショーに行けば、「何かいい『コト』があるだろう」と福袋化しているわけですから。しかし、実際はどうでしょうか。2016年もこんなたわいもないことを考えながら終わろうとしています。

今年一番感動したことはオバマ米大統領の広島訪問、反対に嫌な感じだったことは安倍首相の真珠湾訪問でした。

2017年は、業界から離れた第三局から歯科に光りを当てることに全力投入していきます。どうぞご期待ください。